(1)モヘルチョリ襲撃事件被災者支援活動
2003年8月に発生したベンガル人によるモヘルチョリ郡先住民族の襲撃事件は、2名の死者、10名のレイプ、およそ400件の家の放火および破壊につながる大きな被害を出しました。ジュマ・ネットは被害にあった先住民族への緊急支援活動として農業機器や種、毛布、服などの配給を行いました。現在、被災者の中でも特にひどい被害を受けた世帯が経済状況などを対象に支援を継続する予定です。また、復興支援にとどまらず、可能な範囲で、土地の収奪の問題、自衛のために住民自身ができることを考える場づくりなどを試みます。ジュマ・ネットでは、今後もこういった襲撃事件が発生した場合の被災者への支援を進めていきます。現地活動パートナーは、長年活動経験のある、PBM(Parbatya
Bouddha Mission)です。
(2)モドゥプール郡ガロ民族のエコ・パーク立ち退き問題への支援活動
タンガイル県モドゥプール郡は、古くから森林に覆われ、ガロ民族が居住する場所でした。ベンガル人の増加により、徐々にマンディの生活の場が追われる状況が始まり、パキスタン時代に入り彼らの居住区は勝手に国立公園に指定され、無居住区として扱われるようになりました。その後、小規模な形で政府の国立公園や軍事基地整備のための強制的な立ち退きが行われてきました。2000年より、エコ・パークというピクニック・サイトを建設する政府の事業が立ち上がり、2003年に入ると政府は何の了解もなく、予定地を塀で囲む突然工事に着手しました。それに反対したガロの人々に対して発砲し死者を出す事件が2004年1月に発生しました。この工事によって影響を受ける人口はおよそ8,000世帯と言われています。この事件があってから、近隣のベンガル人との関係が悪化し、女性たちは自由に外出も難しい状況が続いています。
この地域の女性たちの自主的な相互扶助グループを結成し、意識化、職業訓練などの場をつくります。それだけでなく、自分たちの権利や自衛のための話し合いも同時に行えるような場づくりのための支援を進めています。
(3)平和ミッションの派遣
民族間の緊張関係がある場所や以前犠牲者を多く出した場所に、日本から有志による平和ミッションを派遣します。日常的に多数派のベンガル人からの軋轢に悩んでいる先住民族は、精神的に萎縮し、自らの権利や課題に立ち向かうエネルギーを失っていることが多いのです。バングラデシュ政府や軍の意図どおり自分たちが抹殺され、同化させられることに絶望感を持っていることが多いのです。そういった先住民族とって、国際的な目が自分たちの上に注がれていることがなによりも勇気と力になります。平和ミッションは、先住民族だけでなく現地のベンガル人関連団体なども訪問し、平和的解決の必要性を訴えるよう努めます。また現地日本大使館などとも懇談をし、積極的な平和への働きかけを促していきます。
(4)権利学習のための教材作りの可能性の検討
先住民族自身がどのような権利を擁するのか、十分知られていないのが現状です。また、土地を奪われることが多いのにもかかわらず、先住民族自身がその権利について知りません。そういった状況を改善するためにも先住民族自身がもつ権利について学ぶ場が今後は重要なテーマになります。将来的にそういった研修システムとあわせて教材づくりなどを作成する可能性を検討しています。
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